2003.1.20
RedMoundさんから、中国製ヘッドウェイのHJモデルである、HJ−498とHJ−50Sの比較レポートを送って頂きました!
HJ−498の後継モデルがHJ−50Sということになりますが、この2機種、同じように見えて、細かなところに色々と違いがあるようです。
詳しくはレポートを読んで下さいね!(ころ)


《HJ-498 v.s. HJ-50S》

HJ-498(サンバースト)とHJ-50S(ブラック)はヘッドウェイでは珍しい

トップ単板のラウンドショルダーというので以前からかなり気になっていたのです。

ちょうどいいことに正月にもなったし、「たまには自分にお年玉あげてもいいやないかい!」ということで、

「どっちか手に入れるぞー」と探していたら、ほどなくHJ-498を発見!

即、購入を決めて喜びをかみしめるのもつかの間、なんとHJ-50Sまでもが目の前に現れ・・・。

はい、思いわず買ってしまいました(笑)。

購入前には、このふたつがどう違うのかむちゃくちゃ知りたかったこともあり、

せっかくですから、ここにレポートさせて頂きたいと思います。  (RedMoundさん)

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<HJ-50S v.s. HJ-498>

僕が手に入れたHJ-498は2000年製造のユーズド。HJ-50Sは2002年で、新品です。

S.N.を勝手に読んでいるので正確ではないかもしれませんが・・・。

トップ、サイド・バックの材質はスプルース(単板)、マホガニーのようで両方とも同じみたいです。



 
<HJ-498 TOP>
HJ-498のトップはとても目の詰まったまっすぐの木目が見えます。
これはとても綺麗。

HJ-50Sは真っ黒なので確認不可能!

とても似ているHJ-498とHJ-50Sですが、弾いてみると音が全然違います。

「なんでこんなに違うんだい?」という疑問がふつふつと湧いてくる・・・。

ということで、力を入れていろんなところを計測してみました。


とりあえずわかりやすいところから測ってみようと、トップの大きさを測ってみました。

そしたらなんと、HJ-498の方がHJ-50Sよりひとまわり大きかった!

それとは対照的にHJ-50Sの方は胴厚が数ミリほど厚いのです!

<SIDE:左がHJ-50S>

<HJ-498>
俄然やる気が出てきて、他の場所もどんどん測っていくと、決定的な違いが判明!

HJ-498はフィンガーボードとサウンドホールが10mmほど離れている?あれ?サウンドホールまわりのリングが隠れることなく見えている!

つまり、サウンドホールの位置が違うのです!あ、ピックガードの位置も違う!

これには驚きました。何度も見ているはずなのに測るまで気づかなかった自分のアホさ加減にも驚きましたが(笑)

<HJ-50S>

<HJ-498>
ネック幅は同じです。ネックの太さはHJ-498の方がほんの少し細い。

左手で握った感じはそれほど違いはないのですが、よく見るとHJ-498は若干弦高が高い。

何か変だなぁと思いつつ、更なる発見!あれれ?ヘッドの角度がHJ-50Sより浅いではないですか。

つまり逆に言うなら、HJ-50SはHJ-498よりヘッド角が深いということです。微妙に弦のテンションが違っていたのかもしれません。

右手の方は、フラットピッキングのときに何か同じようにいかないと感じていたのですのが、

これはサドルの形状が違いました。HJ-498はなだらかな曲線、HJ-50Sはまっすぐに近くなっています。

ピックのあたり具合の違いは、これが原因のようです。

<HJ-50S>


 
 
 

ヘッドの形状はギブソンタイプ。マシンヘッドは全く違うタイプで、印象がはっきり分かれます。

HJ-498はペグボタンがクリーム色の樹脂製。HJ-50Sのペグボタンは白く輝いて、とてもカッコよいです。

ヘッドロゴはHJ-498はパールでHJ-50Sはゴールド。ロゴデザインは同じです。






さて肝心の音の違いですが、両方とも基本的には男性的な音。

かつ、HJ-498は包容力のある音。中高音は甘くキラキラしてる感じ。低音が野太くてあったかくて、バックが共振してお腹にここちよく伝わってきます。

一方、HJ-50Sは切れ味シャープな音。低音は、まだひかえめですが、中高音はそれぞれ繊細かつ直線的に。全体にはまろやかな音になって響きます。

音の大きさは、HJ-498が2年の月日を経ているだけに断然大きい!僕が所有しているギターの中で一、二を争います。

HJ-50Sは新品ですから、これからに期待です。
 
 

・・♪♪♪・・・♪♪♪・・・♪♪♪・・・♪♪♪・・・♪♪♪・・・♪♪♪・・・♪♪♪・・・♪♪♪・・・♪♪♪・・

 

それにしても、どうしてこんなに音が違うものかと思い、最後にボディの中を覗いてみました。

そしてさらに新たな発見!なんと、バックのブレーシングの形が全然違うことに気がつきました!

<HJ-498>
サウンドホールからエンドピンの方向に向かって、HJ-498は低く太くなっていくのに対して、HJ-50Sは高くなっていく!

これってバックの共鳴の仕方が違ってきますよねぇ。

どう違うかの仕組みはまったく見当つきませんが(笑)、何だかとても楽しみになってきました。

トップのブレーシングについてはいずれ小さな鏡でも手に入れて覗いてみようと思います。

<HJ-50S>


 
 

ぱっと見は大きな違いを感じなかったHJ-498とHJ-50Sでしたが、まったく別のギターと言ってよいと思います。

今後、頑張って鳴らし続けて、それぞれのギターのキャラクターを楽しんでいこうと思います。

しかし、ふたつを並べてると何度眺めてもワクワクしてしまう!この横にHJ-908も並べてみたいですねぇ。やっぱりすべて音がそれぞれ違うんだろうな。

あー、困ったなぁ、でも早くそうしてみたい!(笑)


 
★ HJ-498 SB ★ (price¥49,800) 
★ HJ-50S BLK ★  (price¥50,000)
Body Top  スプルース単版 スプルース単版
Back & Side マホガニー合板 マホガニー合板
Neck マホガニー  マホガニー 
Fingerboard ローズウッド ローズウッド
Bridge ローズウッド / トップベリー ローズウッド / トップベリー
Position Dots パール ドット  パール ドット
Body Binding  アイボリー アイボリー
Scale 314mm (ナットから12Fまで)ギブソンスケール! 314mm (ナットから12Fまで)ギブソンスケール!
Joint position 14F 14F 
The width at nut 43mm 43mm
Saddle & Nut  プラスティック Bone 
ネック角度 HJ-50Sより浅い。 HJ-498より深い。 
ネックの太さ 1Fで外周111mm 1Fで外周115mm
ホールの位置  ネックジョイントから105mm ネックジョイントから92mm 
Body shape ネック側最大410mm エンド側最大515mm ネック側最大402mm エンド側最大505mm
胴厚 最小96mm 最大120mm 最小100mm 最大123mm
バックのブレーシング HJ-50Sより太い。エンドピン寄りほど幅広になって低くなる。 HJ-498より高い。エンドピン寄りほど更に高くなる。
Machine Head  クルーソンDXタイプ、キーストーンタイプの樹脂製のペグボタン グローバータイプ、クルーソンタイプの白蝶貝模様のペグボタン
Pickguard  ラージタイプ(TortoiseColor) ラージタイプ(ホワイト)
Head Inlay  パール "Headway" ゴールド "Headway" 

 

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