ニュー・ギター・コーナー 〜 オーナー万歳!


HN-AM (S/N:2615)

いわゆる「大人買い」、HF−Protoと合わせて2本同時に購入してしまいました。共に近年物の628mmショートスケールモデルとなります。これまで百瀬さんが手がけるショートスケールのギターには手が出せずにおりましたが、最近のHF・HNの進化が著しく、アウトレット価格に託けて喜び勇んで購入してしまいました。
 私にとってのO(シングルオー)やOOO(トリプルオー)の魅力と言えば、丸味のある優しい音色とレスポンスの良さ、なにより全体的にキレの良いスッキリした出音だと思っております。再生産初期のHF・HNは同時期のHDと同じく、ギラギラ!バリィ〜ン!といった強烈な力強さがあり、それはそれで好きのですが「ボディサイズらしからぬ音」という印象を持っていたため、購入するには至りませんでした。「やはりO(シングルオー)やOOO(トリプルオー)ならMartinだな・・・」と思っていたほどです。
 しかし、このところのHF・HNの進化には目を見張るものがあります。決して音量は殺さず、ショートスケール特有の優しいニュアンスと軽やかな出音、爽やかな余韻。百瀬カスタムの特徴である澄んだ音色が相まって、素晴らしい仕上がりとなっております。

さて、本機はHN−AM #2615。百瀬さんが製作した中でも僅少なオールマホガニーモデルとなります。これまでもそのルックスに引かれ、他メーカーのオールマホガニーやオールコアのギターを所有しましたが、結局いずれも手放してしまいました。やはりスプルーストップと比べ硬質であるためか、どこか無骨な音となってしまい、音量も抑えられてしまう気がしたためです。「やはりトップはスプルースに限る」と私の中では結論付けております。
 そうした中で、本機は非常に良く鳴るため驚いております。マホガニートップ特有の硬質で枯れたニュアンスでありながら、音量はスプルーストップと同等でるため、感情を音に乗せやすく、気持ち良く自分の世界に浸れます。押尾コータローさんの『黄昏』なんかはベストマッチですね。マホガニートップとしては、これまで弾いた中では別格に良いです。HF−Protoと同様、ネックジョイント付近にこれまでの製品とは違う加工が施されており、フォワードシフテッド特有の「音が前に出る感じ」をさらに強調させた仕様となってはおりますが、なにより「木と対話する職人」であるからこそ成せる技であると改めて感動した次第です。本当に凄い感性と技術力だと思います。

皆様各々、好きなアーティストや音楽性は当然として違い、それによって使用するギターの好みも違うということを前提とさせて頂きながらも、「HEADWAY GUITAR」のいちファンと致しまして、ギターの購入を検討されている方がおりましたら、私は自信を持ってHEADWAYカスタムシリーズを勧めさせて頂きます。決して安い買い物ではありませんが、言葉では説明し難い「安心感と満足感」が得られます。
 私の経験上、同価格帯のギターの中では圧倒的に品質が良く、細部まで丁寧な仕事が施されております。材料も質の良い物が使用されており、強度的にも優れているためネック調整などのアフターケアもほとんど必要ありません。また、ユーザーからの意見も大事に考えており、メーカーとして「良い物を作る」という姿勢に妥協が見られません。国内では間違いなくトップ、世界でもトップクラスのメーカーであると私は考えております。
 私自身、これまで幾度となくギターを買っては手放して来ましたが、自然と百瀬カスタムだけが残る結果となっております。そんなことを繰り返し、ついには12本目となってしまいました。さすがにやり過ぎであると思われるため、こうならないよう、皆様はくれぐれもご注意ください。

何はともあれ、HEADWAY GUITAR最高!! ()/サイコォ〜!!


HEADWAY HN−AM #2615
トップ:ホンジュラスマホガニー
サイド&バック:ホンジュラスマホガニー
ネック:ホンジュラスマホガニー1P
フィンガーボード&ブリッジ:エボニー
ブリッジピン&エンドピン:エボニー
ブレイシング:フォワードシフト・スキャロップ
ブリッジプレート:メイプル
ナット&サドル:牛骨
ナット幅:44.5mm
ボディ厚:84mm(最薄部)

G3さん  2012年3月  


 
 
 
 

 
 
 
 




 
 
 



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