ニュー・ギター・コーナー 〜 オーナー万歳!


HF-Proto (S/N:2460)
 
 

いわゆる「大人買い」、HN−AMと合わせて2本同時に購入してしまいました。共に近年物の628mmショートスケールモデルとなります。これまで百瀬さんが手がけるショートスケールのギターには手が出せずにおりましたが、最近のHF・HNの進化が著しく、アウトレット価格に託けて喜び勇んで購入してしまいました。私にとってのO(シングルオー)やOOO(トリプルオー)の魅力と言えば、丸味のある優しい音色とレスポンスの良さ、なにより全体的にキレの良いスッキリした出音だと思っております。再生産初期のHF・HNは同時期のHDと同じく、ギラギラ!バリィ〜ン!といった強烈な力強さがあり、それはそれで好きのですが「ボディサイズらしからぬ音」という印象を持っていたため、購入するには至りませんでした。「やはりO(シングルオー)やOOO(トリプルオー)ならMartinだな・・・」と思っていたほどです。しかし、このところのHF・HNの進化には目を見張るものがあります。決して音量は殺さず、ショートスケール特有の優しいニュアンスと軽やかな出音、爽やかな余韻。百瀬カスタムの特徴である澄んだ音色が相まって、素晴らしい仕上がりとなっております。

 さて、本機はHF−Proto #2460。ヨーロピアンスプルーストップのフォワードシフテッドブレーシングであるところを見ると、おそらく『Themomose』のプロトタイプであることがうかがえます。テスト的であると思いますが、ネックジョイント付近にこれまでの製品とは違う加工が施されており、フォワードシフテッド特有の「音が前に出る感じ」をさらに強調させた仕様となっております。加工の内容を
知ると、「それって強度的に大丈夫なの?」とも思いますが、まぁ、、、百瀬さんがやることなのですから大丈夫なのでしょう、きっと()
 その音は素晴らしく、実に軽やかに音が前に出ます。3ピースバックにも類似した単音が際立つ音で、ピックで単音をちょいちょい混ぜながらのストロークがとても気持ち良いです。カントリー系ミュージックや、トミー・エマニュエルさんの曲あたりがマッチしそうな印象です。
  初めて手にしたヨーロピアンスプルーストップの感想は「極めてアディロンダックスプルースに近い」であります。レッドスプルース系のボワンとした音の輪郭でありながら、シトカのような芯が残っている印象です。ジャーマンのようなtoneの低いダークなニュアンスは感じられず、カラッと明るい印象です。インディアンローズよりはマホガニーとの相性が良いのではないかと感じました。

 皆様各々、好きなアーティストや音楽性は当然として違い、それによって使用するギターの好みも違うということを前提とさせて頂きながらも、「HEADWAY GUITAR」のいちファンと致しまして、ギターの購入を検討されている方がおりましたら、私は自信を持ってHEADWAYカスタムシリーズを勧めさせて頂きます。決して安い買い物ではありませんが、言葉では説明し難い「安心感と満足感」が得られます。

G3さん  2012年3月  


 
 
 




 
 
 



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